椅子の話 王様の椅子 早川謙之輔さんの思い出

木工家の早川謙之輔さんに3回お会いしたことがある。住まい塾の会員だったMさんのご縁で初めて付知のお宅にお邪魔したときのこと。付知川沿いの街道筋から少し下り、杉木立の中に早川さんのご自宅があった。とりたてて目立つわけでない畳敷きの座敷を持つ木造の日本家屋、床の間には白井晟一の書、早川さん自作の小さな厨子があったように記憶している。とても気さくな方で、おしゃべりがお好き。酒は飲まないがヘビースモーカー。
そのとき、家の奥にある作品の展示室に案内してくれた。(たくさんのものが雑然とおいてあったように思う)黒田辰秋の話や、黒澤明の椅子テーブルの話など、かけ出しの設計者にとっては雲の上のような話が次々と柔らかなリズムで語られとても楽しかった。その展示室にあったのがこの椅子、人が座るにはずいぶん大きすぎる。座らせてもらったが足がつかない、きっと、生きてる人が座るものと別の世界のもの、そんな感じがした。この椅子にはこの大きさが必要だった。ものをどの次元で作るのか‥。今でもとても強く印象に残っている。
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栗 椅子 W675 D570 H1270mm
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by kinoie-aos | 2007-03-01 10:14 | 早川謙之輔さん
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