カテゴリ:早川謙之輔さん( 3 )

早川謙之輔さんの思い出 3

早川さんに三回目にお会いしたのが、今から9年前。森とすまいの会を立ち上げてしばらくしたころ、天竜の材木屋さんと恵那・中津川に視察に行く機会がありました。われわれ森とすまいの会のメンバーだけ前出の姫栗のMさんの山荘に一泊させてもらい、次の日Mさん(そのころは結婚してKさんです)の計らいで、森スマのメンバーを早川さんに紹介していただきました。加子母村の東濃桧の家の仕掛け人、中島工務店の中島さんを紹介していただいたり、早川さん親子が手がけて、当時竣工したばかりの中津川の栗きんとんの老舗「すや」に連れて行ってもらったりと本当に至れり尽くせりのありがたい時間を頂戴しました。早川さんは筆まめな方で本も三冊ほど出されています。これはネットで調べて買った本。最近まで朝読書の本でした。読み始めるとちょうどお会いしたころ書かれていた本で、よく、黒田辰秋さんのお話が出たのを思い出します。二年ほど前に東京国立近代美術館の工芸館で、日本を代表する木工家の展覧会がありましたが(早川さんの桧のチェストも展示されていました。)あの工芸館の待合の椅子、黒田辰秋作なんです。ちゃんと座って良いんですよ。なんか、うやうやしく展示されている木工作品と見比べて、なんか変で、おかしくもありました。現在、この東京国立近代美術館の工芸館で人間国宝・巨匠コーナーに黒田辰秋さんの螺鈿の箱が展示されています。今週末行ってきます。
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パラフィン紙で丁寧にカバーがかけられて届きました。本を大切にする感じ良いです。そのときに使われていた切手。右のは1965年の国民体育大会の記念切手ですよ。なかなか粋な古本屋さんです。切手のついたまま厚紙貼って栞にします。
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by kinoie-aos | 2007-05-07 17:54 | 早川謙之輔さん

上棟式のお赤飯 早川謙之輔さんの思い出 2

早川さんに二度目にお会いしたのは、住まい塾会員のMさんが結婚して中津川の姫栗という山に山荘を建てた時の上棟式でした。Mさんが京都の中村外二さんの所から独立したてのご長男、泰輔さんに初仕事を依頼したのです。設計を泰輔さんに頼んだもののどうもプランがしっくりこないとのことで私に基本設計の依頼があり、計画しました。上棟当日、息子さんの手元みたいにお父さんの謙之輔さんが手伝っていたのを覚えています。上棟式といっても何もするわけでなく缶ビールで乾杯、その後謙之輔さんが箸を使わず素手でお赤飯を差し出しました。「上棟式のお赤飯というのはこうやって食べるものです。」どうしてかなんて事は聞くのは野暮のような感じになってしまって、ありがとうございます、といただきました。
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by kinoie-aos | 2007-03-08 19:01 | 早川謙之輔さん

椅子の話 王様の椅子 早川謙之輔さんの思い出

木工家の早川謙之輔さんに3回お会いしたことがある。住まい塾の会員だったMさんのご縁で初めて付知のお宅にお邪魔したときのこと。付知川沿いの街道筋から少し下り、杉木立の中に早川さんのご自宅があった。とりたてて目立つわけでない畳敷きの座敷を持つ木造の日本家屋、床の間には白井晟一の書、早川さん自作の小さな厨子があったように記憶している。とても気さくな方で、おしゃべりがお好き。酒は飲まないがヘビースモーカー。
そのとき、家の奥にある作品の展示室に案内してくれた。(たくさんのものが雑然とおいてあったように思う)黒田辰秋の話や、黒澤明の椅子テーブルの話など、かけ出しの設計者にとっては雲の上のような話が次々と柔らかなリズムで語られとても楽しかった。その展示室にあったのがこの椅子、人が座るにはずいぶん大きすぎる。座らせてもらったが足がつかない、きっと、生きてる人が座るものと別の世界のもの、そんな感じがした。この椅子にはこの大きさが必要だった。ものをどの次元で作るのか‥。今でもとても強く印象に残っている。
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栗 椅子 W675 D570 H1270mm
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by kinoie-aos | 2007-03-01 10:14 | 早川謙之輔さん